エサはどれがいいのか
飼育も4年目に入り、いろんなエサを試してきてわかったことが色々あります。
今回、以前に紹介した記事を元にしながら、生きエサについて考察をし直してみました。
自分なりの見解の差であり、経験の中で培われていくものだと思いますのでどれがいいのか、結局は結論は出ないのかもしれません。
自分なり順位をつけるとしたら・・・
- デュビア
- レッドローチ
- ジャイアントミルワーム
- ミルワーム
- クロコオロギ
- シルクワーム
基本栄養素
水分 | タンパク質 | 脂質 | 灰分 | |
レッドローチ | 69.1 | 19.0 | 10.0 | 1.2 |
デュビア | 62.6 | 23.5 | 8 | 1.8 |
ジャイアントミルワーム | 57.9 | 19.7 | 17.7 | 1.0 |
ミルワーム | 61.9 | 18.7 | 13.4 | 0.9 |
クロコオロギ | 72.4 | 18.8 | 6.5 | 1.2 |
シルクワーム | 82.7 | 9.3 | 1.4 | 1.1 |
- 基本三要素での考察
基本栄養素の数値が最も高いものを総合的にみると、一番優れているのはデュビアのようです。トップの項目が2つもあります。
- タンパク質とは
三大栄養素(タンパク質・脂質・灰分)の一つです。筋肉や臓器など体を構成します。
- 脂質とは
三大栄養素の中でも最も高いエネルギーを得ることができます。しかし摂り過ぎると肥満になります。
- 灰分(かいぶん)とは
無機質(ミネラル)のことで 食品を焼くと灰として残るので灰分(かいぶん)と読みます。あまり気にしなくて大丈夫です。
カルシウムとリンについて
この項目では、比率が一番高いものをNo.1に選びたいと思います。
この項目で一番優れているのはデュビアですね。
- カルシウムのはたらき
カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分になるほか、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに関与しています。
カルシウムがないとくる病など、骨の異常が出てきます。
- リンのはたらき
体内のリンはその85%がカルシウムやマグネシウムとともに骨や歯をつくる成分になっていて、残りの15%は筋肉、脳、神経などの様々な組織に含まれ、エネルギーをつくり出す時に必須の役割を果たしています。人の場合ですが、リンは成人の体内に最大で800g含まれています。
しかし、カルシウムの摂取量が低く、リンを過剰にとると、骨量や骨密度が減る可能性があります。
反対にリンが不足すると、脱力感、筋力低下、溶血などの症状が知られています。しかし、リンは食品中に広く分布し、さらにリン含量の高い食品が多いため不足することはほとんどありません。
参考ページ
- 比率とは
カルシウムをリンで割ったものです。この数値が「2」(カルシウムがリンの2倍)であることが理想だそうです。
表を見てもらったら分かるように数値が2に届いているものなど一つもありません。ということは、全くカルシウムが足りていないということがわかります。
- ビタミンD3について
爬虫類用のカルシウムを購入するとき、「+D3」と書かれたものがあるのを知っていますか?
こちらです。では、ビタミンD3とはどういうもので、なぜ必要なのでしょうか?
ビタミンD3
○カルシウムやリンの吸収を助ける
✗体内で消化されないため、体内に沈着する
ビタミンD3はカルシウムを吸着して骨の生成を行うために補助してくれます。 多くの爬虫類は日光浴によって紫外線を受け、ビタミンD3を生成します。 屋内で飼育される爬虫類はD3が不足するためビタミンD3入りのカルシウム剤を添加します。
ビタミンD3の過剰摂取は、カルシウムを体内に沈着・石灰化させてしまいます。 はじめは血管内に、やがては内臓機能にカルシウムを沈着させてしまい、各臓器の機能不全を引き起こし、最悪死に至らしめます。
カルシウムは過剰に摂取しても吸収されない分は尿酸として体外に排出されます。
どのくらいの量が爬虫類にとって適量なのかは明らかになっていません。
なので、D3入りのものは、5〜6回に1回位の割合で使えばいいのではないでしょうか。
オススメの順位
- デュビア
- レッドローチ
- ジャイアントミルワーム
- ミルワーム
- クロコオロギ
- シルクワーム
1位は「デュビア」です!
3年前に作成した記事でもデュビアが1位でした。やはりデュビアかな?
数値上ではすべてのエサは似たりよったりです。どれでもいいと思います。いい点も悪い点もそれぞれ持っています。
わたしの決め手は、「管理のしやすさ」ですね!
1位 デュビア
臭わなさ
全くニオイません。フンの匂いも全然しません。うちはラビットフードをエサとして与えているのですが、食べたものがそのまま出てきているのではないか?というふうに見えます。とにかく全然ニオイません。
丈夫さ
全然死にません。死んだ〜と思っているやつはだいたい脱皮の抜け殻です。1ヶ月ほどエサと水を切っても死にません。ただし、扁平な子になっちゃって栄養が少なくなることは間違いないのでやめましょう。
繁殖の容易さ
放っておけば増えます。デュビアはメスが卵をお尻から一度出して、受精したあと体の中に戻します。生まれてくるときはミニデュビアです。半卵胎生とでも言うのでしょうか?不思議な生態です。
星が4なのは、唯一の欠点、成長が遅いからです。
逃げられなさ
カベを登れませんので少し高さのある容器に入れておけばまず逃げることはありません。うちはフタもしていませんが逃げたことはありません。
本物のゴキブリが混ざっていたことがあります。オスと見た目は区別がつきません。でもやはり本物は壁を登って逃げていってしまいました。
鳴き声
全く鳴きません。
見た目
これが全項目中最低点です。オスは完全にゴキブリです。
小さいサイズの子はオスメスの区別が付きません。頑張ればダンゴムシに見えます(笑)
食いつき
とっても良いです。見た目よりも柔らかいらしく、フルサイズのメスをレオパは普通に食べてくれます。
口のサイズから言えば大きすぎるように見えるのですが、柔らかいから食べられるのでしょうか?
とにかく食いつきは抜群だと思います。
最後に
稀にアレルギーを発症する方がおられます。フンの粉が舞うのでしょうか?くしゃみが止まらなかったり発疹が出たりする方がおられますので、もし出てしまったらキープは断念しましょう。
ココで買ってる
いろ爬まるさんで買っています。みんなプリプリでとっても状態もよく、そして梱包もすごく丁寧なのでいつもココで購入させてもらっています。
2位 レッドローチ
臭わなさ
結構匂うと思います。油臭い感じがします。「全くニオイません。」という方もおられますが、わたしはけっこう気になります。
丈夫さ
けっこう簡単に死ぬような気がします。気がついたら全然いなくなってたりします。
繁殖の容易さ
放っておけば増えます。デュビアとは違い、卵をポトッと産み落とします。それを一ヶ月ほど放っておけば生まれてきます。成長のスピードも早いので満点です。
逃げられなさ
カベを登れませんので少し高さのある容器に入れておけばまず逃げることはありません。うちはフタもしていませんが逃げたことはありません。
デュビアと違い素早いので一度ケース外に逃がしてしまうと捕まえることはほぼ不可能です。ただ、水を求めるのか2〜3日するとシンクに必ずいます。シンクのカベを登ることができないのでそこに集まってきて一網打尽にできます。
鳴き声
全く鳴きません。
見た目
全項目中最低点です。完全にゴキブリです。
デュビアと違い、頑張ってもダンゴムシに見えません。くり返しいいますが、完全にゴキブリです。でもなれてくると可愛く見えるようになったりもします。最近は触れるようになりました。
食いつき
とっても良いです。アダルトサイズもデュビアよりも小さいので、うちではクビワトカゲ、マラカイトハリトカゲなどの口が小さそうな子にあげています。
気が狂ったように追いかけ回してますので、とにかく食いつきは抜群だと思います。
デュビアとレッドローチの2種類を揃えておけば大きさの違いもありますので色んな種類の爬虫類に対応できると思います。
最後に
デュビアと接戦でした。1位でもいいくらい。キープの面倒くささが負けた原因です。
前回3年前のときには「レッドローチなんてゴキブリやん!とんでもない!」と思って手を出していませんでした。しかし成長しました(笑)レッドローチ、サイコーです(笑)
ココで買ってる
いろ爬まるさんで買っています。みんなプリプリでとっても状態もよく、そして梱包もすごく丁寧なのでいつもココで購入させてもらっています。
3位 ジャイアントミルワーム
臭わなさ
全然ニオイません。ふすまという粉?の中に放り込むだけなのですが、何なら少し木の粉のいい香りがします。
丈夫さ
全然死にません。共食いもないようです。ジャイアントミルワームは密集して飼育すると成虫にもならないようでとっても丈夫で楽です。
繁殖の容易さ
密集して飼育すると成虫にならないようなので繁殖に関してはしたことがありません。ミルワームは放っておくとすぐに成虫になってしまうのですがジャイアントミルワームは全然それがないのでエサとして使える期間がながいと思います。
逃げられなさ
もちろんですが、カベを登れませんので少し高さのある容器に入れておけばまず逃げることはありません。
鳴き声
全く鳴きません。
見た目
人によるのではないかと思うのですが、芋虫系が苦手な人には耐えられないのではないでしょうか?わたしは全然平気です。
食いつき
とっても良いです。大きいので一匹でお腹もいっぱいになってくれそうです。
スキキライは多いようです。レオパは全員飛びついてきますが、ニシアフは全く見向きもしない子が1匹います。クビワトカゲも一匹は全く反応しません。
最後に
ジャイアントミルワームはアゴがすごいので、頭をちぎって与えないとハチュのお腹を食い破ってしまう。という話をよく聞きますが、おそらく都市伝説です。海外でそういった話があったという報告があるそうですが、出どころがはっきりしません。ジャイアントミルワームを水につけたことがある方はわかると思うのですが、すぐに死んでし動かなくなってしまいます。ハチュのお腹に入るまでに死んでしまうのではないでしょうか?
そして口でかんでる時にバキバキ言ってることが多いのでその時点ですでに動かなくなっているようです。
おそらく生きたまま与えても問題ないと思います。(自己責任でお願いします)
少なくともわたしのところのレオパ、ニシアフには、異常が出てきたことはありません。
アゴの凶暴さでいえばクロコオロギのほうがよっぽど強いアゴを持っていると思われます。ジャイアントミルワームのアゴを潰さなければいけないのであればクロコも絶対に潰さなければ危険だと思います。
何度もいいますが、生きたまま与えて何かあっても当方では責任は取れませんので自己責任でお願いします。
ココで買ってる
ミルワーム、ジャイアントミルワームはヤフオクで購入しています。
ジャイアントミルワームは近くの熱帯魚屋さんでも取り扱っているのでそこで買うこともあります。
4位 ミルワーム
臭わなさ
全然ニオイません。ふすまという粉?の中に放り込むだけなのですが、何なら少し木の粉のいい香りがします。
丈夫さ
全然死にません。共食いもないようです。すぐに成虫になってしまうので、エサとしての期間が短い分、星−1です。
繁殖の容易さ
ミルワームは放っておくとすぐに成虫になり、気がついたら糸のようなベビーが生まれていますので繁殖は最高レベルに容易です。しかし、その後エサとして使えるまでに成長させるのは結構時間がかかります。
なので、いいサイズを買ってもすぐに成虫→ベビーとなってしまうのでたくさん一度に購入するとエサとして「?」担ってしまいます。
逃げられなさ
もちろんですが、カベを登れませんので少し高さのある容器に入れておけばまず逃げることはありません。
鳴き声
全く鳴きません。
見た目
人によるのではないかと思うのですが、芋虫系が苦手な人には耐えられないのではないでしょうか?わたしは全然平気です。
食いつき
とっても良いです。栄養価が少ない(脂質が多い)ので、与え過ぎは良くないと思っているのですが、これしか食べない子がいるので、仕方なくこれだけあげている子がいます。
最後に
ゴキブリよりも見た目もよく(?)、生きエサの入門種なのではないでしょうか?ホームセンターの小鳥コーナーにも置いてるので気軽に購入することができます。しかしレオパなどにあげると、よく食べるのですぐになくなってしまいます。
ココから「やっぱりコオロギ?」とセカンドステップに進み、「デュビアか〜」とサードステージに入っていくのです(笑)
ココで買ってる
ミルワーム、ジャイアントミルワームはヤフオクで購入しています。
ミルワームに関してはホームセンターの小鳥コーナーにも置いてあります。
5位 クロコオロギ
臭わなさ
ちょっとニオイます。レッドローチほど気にならないと思います。
丈夫さ
簡単に死にます。これがコオロギのマイナスポイントです。あとはいいのになぁ。と思います。
水を1日切らすとほぼ全滅と思っていいです。エサが少なかったりケースが狭かったりすると共食いします。メンテナンスに結構手間がかかりますが、状態良く飼育できれば全然死なないし、どんどん殖えます。
繁殖の容易さ
状態良く飼育することができれば、簡単に卵を生んでくれます。そしてすぐに大きくなります。
今はやっていませんが、以前は最初50匹買ってきたコオロギのアダルトサイズで繁殖をし、5代まで繁殖させ、レオパ約20匹をそれだけでキープできていたことがあります。
成長も早いので、うまくやればどんどん殖えていって、エサを購入する頻度も減ると思います。
逃げられなさ
カベは登れませんが、ジャンプ力が結構あるので高さのある容器でも飛び越えていくことがあります。
鳴き声
コオロギの最大の難点はこれではないでしょうか。鳴き声がうるさいです。大合唱になります。うちは爬虫類の小屋が庭にあるのでそこまで気になりませんが、夜は母屋の寝室にまで聞こえてきます。羽を切れば泣かなくなるのでいいと聞きますが、簡単には切れないし数が多いのでちょっと現実的ではないです。
これは我慢するしかありません。
見た目
人によると思いますが、奥さんは大の苦手です。耐えられないようです。わたしは全然平気です。
手で触ることもなんにも気になりません。慣れもあると思いますが。
食いつき
とっても良いです。栄養価も良いと思います。うちのニシアフの一匹はコオロギしか食べてくれません。デュビアもレッドローチも全く無視なのに、コオロギだけは狂ったように食いついてきます。なぜなのでしょうか。
最後に
生きエサというとまずコオロギという方がおられるのではないでしょうか。わたしも最初10匹購入して小さな100均のプラケースに入れてました。
でも初日に2〜3匹やって、あとは3日後。とか思っていると3日後には一匹もいなくなっているor全滅してる。ということがありました。キープは意外にむつかしいです。
なるべく広めのケース(大きめの衣装ケースがいい)、新鮮な水、エサ、そうじ
これを忘れずにできれば簡単にふやすことができます。コオロギに始まり、コオロギに終わるって感じですね!!
ココで買ってる
近所の爬虫類ショップ「エイトビート」さんで購入しています。
コオロギは通販はちょっと怖いと思っています。あまりに弱いので、死着が多そうで試したことがほとんどありません。
ちなみにエイトビートさんではSS6円、S8円、M10円、L12円です。(一匹)
けっこう安いと思っていますが、どうなんでしょう?
6位 シルクワーム
臭わなさ
独特のニオイがします。桑の葉を食べて育つので、お茶っ葉?木の葉?のような系統のニオイです。慣れればけっこう心地よいかも。
丈夫さ
乾燥させないといけないけど、水を切らすといけないのでキープはとってもむつかしいと思います。
桑の葉しか食べないので、桑の木があっていつでも葉が取れる方はいいかもしれません。
繁殖の容易さ
繁殖は試したことがないのでなんともいえませんが、難しそうです。
桑の葉、湿度などキープするだけでもけっこう大変なので繁殖まで行き着いたことがありません。
逃げられなさ
プラカップでキープできますが、体は水分が多くぶよぶよしているからか、ちょっとの隙間も難なく通り抜けてしまうようです。空気穴が大きければそこから逃げていることがありました。しかしスピードがゆっくりなので、床を移動しているところを発見して捕獲できました。
鳴き声
鳴き声は全くありません。
見た目
白いので、ミルワームより行けるかもしれません。でも、人によると思います。
ぶよぶよ過ぎて、手で触ることは少し抵抗があります。
食いつき
うちの子たちの反応はとっても良いです。拒食気味だったニシアフもガツガツ食べてくれました。水分が多いからだと思いますが、ミルワームよりも体が柔らかく、消化にもいいようです。
最後に
シルクワームはいわゆる蚕(かいこ)ですよね。富岡製糸場でも飼育されていたんでしょうか。けっこうキープがむつかしいので大変だったのではないかな?って思います。
シルクワームはほとんど水分で栄養がない
とよく言われていますが、このデータは誤りの可能性があります。デュビアも一時はリンの含有量が多くてカルシウムを補充するには良くないと言われていましたが、後の研究によりリンの数値が大きく間違っていたことがわかりました。
シルクワームも水分だけではないように思います。桑の葉を食べていることから何らかの栄養が蓄えられているように感じます。
キープがむつかしいので6位ですが、やりたいエサとしては1位でもあります。
ココで買ってる
近所の爬虫類ショップ「エイトビート」さんで購入しています。
なかなか入荷していないことが多く、季節のエサというイメージもあります。春〜初夏にかけてでしょうか。